ネットワーク監視とは?監視の方法・メリットを事例で解説

リモートワークやオンラインショッピングが増え、企業では24時間365日の正常なネットワーク稼働が必須となりました。しかしシステムにトラブルは付きもの。トラブルを完全に防ぐのは難しいですが、有事の際に早急に状況を把握して対策を講じられるよう準備しておきましょう。それには、日頃からネットワーク監視をしっかりと行う必要があります。

ネットワーク監視とは?

ネットワーク監視とは、ネットワークの稼働状況を定期的に確認することです。ネットワークを構成するサーバや提供しているサービスが正常に稼働しているか、障害の予兆があるか等を監視します。

ネットワークの利用が当たり前となったいま、ネットワーク障害が生じてしまうとビジネスに大きな損失を与える可能性もあるのです。

ネットワーク監視の重要性

ネットワークが停止した場合の損害は甚大です。そのためネットワークのダウンやレスポンスの悪化を早急に検知し、迅速に復旧する必要があります。それには24時間365日のネットワーク監視が欠かせません。

しかしながら人的コストや管理コストなど、ネットワーク監視には思っている以上に費用がかかります。自社のシステムに適したサービスやツールを検討してから導入すれば、コスト削減にもつながるでしょう。

ネットワーク監視が必要な項目

それでは、ネットワーク監視が必要と思われる項目を見ていきましょう。

1. 死活監視

ネットワーク監視において、最も基本的で重要な項目が「死活監視」です。監視対象の機器にネットワークがつながっているかどうかを確認し、機器の起動や通信経路が正常であるかを判断します。

2. ハードウェアの状態を監視

ハードウェアの異常や障害を検知し、障害発生を未然に防止するための項目です。CPU使用率やメモリ使用率、ハードディスク使用率、プロセス数といったリソースの監視を行います。

3. サービスおよびプロトコルの監視

ネットワークでは、それぞれのプロトコルで複数のサービスが稼働しています。それらが正常に稼働しているかの確認を行います。

4. トラフィック監視

サーバやネットワーク機器の通信回線において、一定時間内にネットワーク上で転送されるデータ量を監視するものです。業務にあった通信量であるか余剰な通信が行われていないか等を判断し、障害が発生しそうな場合にはどこに問題があるかの判断材料ともなります。

5. TRAP監視

ネットワーク機器に異常が発生していないかを判断するためのものです。監視している機器に異常が起きると、監視されている機器から「TRAP」と呼ばれる通知を自動的に送るため、早い対応が可能となります。

ネットワーク監視の導入メリット

ネットワーク監視の導入には、以下のような4つのメリットがあります。

1. ネットワークの障害・性能低下に対応、システムの稼働安定

これまで解説してきたように、24時間365日監視により、障害や機器の性能低下などをすぐに感知できるため、障害や性能の低下を確認しても早急に対応ができます。結果として、エンドユーザにもストレスなくご利用いただける環境を提供できるでしょう。

2. ネットワーク運用コスト減

企業としては「コスト減」が大きなメリットのひとつ。人件費はもちろん、万一障害が発生した場合に備える予備機の準備なども、最小限に留めることが可能です。

3. ネットワーク管理者の負荷減、人に依存しない

ネットワーク管理を行うには、ハードウェアやプログラムまで幅広い知識のある人材を確保しなければなりません。またとても責任の重い業務であるためネットワーク管理者の負担は大きく、担当者が変わることによるリスクも大きいものです。

しかしネットワーク監視の導入により、複数のネットワーク機器を管理する場合でも効率よく多くの項目を監視することが可能となります。

4. ネットワーク運用計画に関する情報収集

ネットワークを流れるデータ量は時間帯や時期によってさまざまです。日頃からデータ量の動きをキャッチしておけば、ネットワーク運用の計画にも役立てられます。

ネットワーク監視の導入方法

ネットワーク監視を導入するには「ツールを使って自社で行う方法」と「ネットワーク監視サービスをアウトソースする方法」があります。

監視ツールを使って自社でネットワーク監視を行う

監視ツールを使い、監視担当者を置いてネットワーク監視を行う方法です。自社でアラートなどの対応ができるため柔軟な面もある一方、ハードウェアのステータス管理からCPU使用率などまで多岐にわたるメンテナンスや監視の運用に工数がかかるというデメリットがあります。

ネットワーク監視サービスをアウトソースする

監視運⽤まであわせてアウトソースするのであれば、監視環境を自社で用意する必要がないため運⽤に⼯数がかからないだけでなく、運用も簡単なため専任エンジニアは不要です。コストが削減されるため、情報システム部門のパフォーマンスも向上できるでしょう。

クラウド型システム監視・運用支援サービス「CustomerStare(カスタマーステア)」導入事例

ここからは、キャリアヴェイルのクラウド型システム監視サービス「CustomerStare」を導入した、株式会社 技研製作所様の事例インタビューをご紹介します。

技研製作所様では、従来、システム障害が発生してから復旧までにかなりの時間を要していました。しかし、監視サービスの導入により問題の早期発見、スピード感ある問題解決が可能となりました。

技研製作所様外観

既存のサービスは、障害発生から復旧までの時間がとてもかかっていた

システム監視サービス「CustomerStare」を採用する以前の課題や検討の背景を教えてください

すでに導入していたサービスは、システム監視サービスではなく障害が発生した後に対応してくれるものでした。つまりサービス利用者から障害発生の連絡が当管理部門に入った後、まずは当部門にて調査し、その後サポートベンダーに連絡し調査してもらうという手順だったのです。復旧までにはとても時間がかかり、その間、サービスは停止する状況となっていました。

システム障害はサービス利用者の業務を止めてしまう可能性もあるため、できるだけ短時間で復旧させる必要があります。もしサービスが停止しているという情報が入る前に当部門で気づけているならば、先のステップまで先行して進められるのです。この状況を改善するためには、常時監視を行い、利用者から連絡を受ける前に管理部門からアクションすべきであるという考えに至りました。

目的は「スピード感のある障害対応」と「システム稼働状況の見える化」

そこから24時間365日の監視と運用状況の見える化という要件につながっていくのですね

「障害対応の遅延を改善させなければ…」という思いは常にありました。それにはスピード感のある対応が必要であり、「24時間365日のネットワーク監視の運用」の導入が必須であると考えたのです。もうひとつ改善したいと思っていたのが「システム稼働状況の見える化」です。ネットワークのリソースをどれだけ使っているのか、どのタイミングで通信量が多くなっているのかを知りたいと思っていました。これまで、部分的にしか管理できていなかったんです。

「システム稼働状況の見える化」によって、何を行いたいと考えられたのでしょう?

サービス利用者から「ちょっと通信が遅いんだけど…」といった問い合わせが、ときどき寄せられます。システム稼働状況がすぐに確認できるようになれば、利用者に満足いただけるサービスを提供できるようになるでしょう。

「CustomerStare」ならば問題解決できる!とネットワーク監視システム導入を決定

CustomerStareを選定した際の選定要件や必須要件を教えてください

現在導入しているサービスに不満を抱えていたところ、たまたまキャリアヴェイルさんから「CustomerStare」をご紹介頂きました。常時監視をしたいという当社の課題も解消できる内容でしたし、ちょうどキャンペーン期間中だったこともあり、「CustomerStare」に乗り換えることにしました。

サービス内容や価格は、他社と比較していかがでしたか?

運用中の他社サービスと併せて、類似サービスの情報収集を行い比較をしましたが、24時間365日監視のサービス内容でこの料金であれば、安いと感じました。

大きなストレスもなく、スムーズな導入を実現!設定まわりもキャリアヴェイルの支援で解決

採用決定後、御社のネットワークにお客さまの監視対象機器からログを集めて転送するサーバ「LogStareCollector」を置かせていただいて、転送の仕掛けやSNMPの設定など、導入のお手伝いをいたしました。御社にもいろいろと作業していただきましたが、導入の際に苦労した点や大変だった点などがあればおしえてください

クラウド上にLogStareCollector用のサーバを新規で構築しましたが、日頃から行っているような作業だったため、それほどの苦労はありませんでした。しいていえばSNMPの設定で「同じように入れてみたけど、この機器だけうまくとれない…」ということもありましたが、キャリアヴェイルさんに原因究明を支援いただき案外簡単に解決しました。そのため大変だったという記憶はありません。大きなストレスもなく、導入はスムーズに行えました。

期待通りの効果!利用者からのシステム障害の連絡前に状況を把握

今回「CustomerStare」を導入した目的は、障害対応速度のアップとシステム状況の見える化でしたが、目的は達成されましたか?

利用者から障害情報の連絡が届く前に管理部門側で状況を把握できているという点で、期待どおりです。またネットワークの障害の原因がどこにあるか判らないような場合でも、キャリアヴェイルさんが駆け込み寺となって一緒に調査を行ってくれます。その点においても、導入してよかったです。

では、期待外れだった部分や想像と異なる点はありましたか?

サービス・ポータルのダッシュボード機能などで変更したい部分もありましたが、順次改修対応をしていただいているので期待どおりです。拠点ごとのアラートスキップやレポート項目の並び順の改善など、今後の更なる機能改善についても期待しています。

きめ細かなレポートで課題も埋もれない!気づいた点も教えてくれるので業務改善に一役

月次レポートも提出していますが、有効なレポートとなっていますか?

総評など、キャリアヴェイルさんが気付いた点も含めてレポートしてくれるので助かっています。他拠点へのネットワーク遅延に関する懸案など、個別に依頼をした要望なども幅広く記載していただいているので、課題が埋もれる心配もありません。気になったことは都度問い合わせできるような関係が構築されていると感じています。これからも新しい情報提供や情報交換の打ち合わせなどの場を随時持ちたいです。

今後のCustomerStareや当社に対するご希望・ご期待などについてお聞かせください。

テレワークがますます主流となり、セキュリティの部分なども非常に重要となってきています。自宅から仕事する人が多くなったため、社員が何をしているのかが完全には見えない状態です。会社としてはそこが少し不安ですね。何をしているのかをログで確認するなど、クライアント側の操作ログなどの見える化も必要だと感じています。

お客様プロフィール

社名 株式会社 技研製作所
所在地 東京本社:
〒135-0063
東京都江東区有明3丁目7番18号 有明セントラルタワー16階
TEL 03-3528-1630
高知本社:
〒781-5195
高知県高知市布師田3948番地1
TEL 088-846-2933
資本金 8,843百万円(2020年8月末現在)
創業 1967年(昭和42年)1月 1日
設立 1978年(昭和53年)1月 6日
代表者 代表取締役会長 北村 精男(きたむら あきお)
代表取締役社長 森部 慎之助(もりべ しんのすけ)
従業員数 633名(連結/2020年8月末現在)
事業内容 無公害工法・産業機械の研究開発および製造販売ならびにレンタル事業
土木建築その他建設工事全般に関する業務ならびにコンサルタント業務
土木施工技術・工法の研究開発
上記に関する海外事業

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